贈与税の計算方法として、暦年課税制度の他にどのようなものがありますか?

  • 2018/2/26
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Q.
 贈与税の計算方法として、暦年課税制度の他にどのようなものがありますか?

A.
 財産を会社など法人よりもらった場合には所得税が課されるのに対し、財産を個人よりもらった場合には贈与税が課されます。この他、個人より、債務を免除してもらったり、著しく低額で財産を譲り受けたりした際などにも贈与税が課されます。
 贈与税については、その財産を贈与された者が、その贈与された年の翌年2月1日より3月15日までに確定申告をし、納税を行います。
 確定申告をするに当たり、暦年課税制度と相続時精算課税制度の二つの贈与税の計算方法が存在します。一定の条件に該当する場合にのみ、後者を選ぶことができます。

 暦年課税制度というのは、その者が1年間(1月1日より12月31日まで)に贈与された財産の合計額より基礎控除額(110万円)を控除した残額につき、その残額に応じた税率を乗じて贈与税を算出する制度です。
 また、平成27年以降の贈与については、世代間の財産移転をさらに促進するべく、「一般贈与」と「特例贈与」に区分して贈与税を算出することになりました。特例贈与というのは、祖父母や親から20歳以上の子や孫への贈与のことで、一般贈与と比較して税率が低くなっています。
 相続時精算課税制度を選ぶという届出を行わない場合、通常贈与がなされた際にはこの方法で贈与税を算出し、納税を行います。
暦年課税の選択時には毎年1名当たり110万円以下の贈与をすることで、相続税の節税につながります。

 一方、相続時精算課税制度については、平成15年にこの制度が改正導入されたことで、贈与税と相続税が一体化されました。そして、平成27年以降については、贈与者・受贈者の範囲を拡大する改正がなされています。ちなみに、相続時精算課税制度を選んだ場合、暦年課税制度に変更することは不可能ですので、留意しなければなりません。
 財産の贈与より相続までの流れは次のとおりです。
 その者が1年間(1月1日より12月31日まで)に贈与された財産の合計額より特別控除額2,500万円(生涯の控除額が2,500万円ですので、既にかつての贈与で控除額を使っているならば、残額)を差し引いた残額に対して、一律2割の贈与税が課されます。
 この制度を選ぶためには、次のような条件が存在します。
〇選択する受贈者は、贈与をした者の推定相続人(代襲相続人を含む)である20歳以上の子、又は20歳以上の孫であること
〇贈与をした者は、60歳以上の親又は祖父母であること
〇この制度の適用を受けようとする最初の贈与を受けた年の翌年2月1日より3月15日までに、その旨の届出書を贈与税の申告書に添えて税務署長に対して提出していること
 以後、この制度を選択済みの贈与者である親や祖父母が死去したときの相続税額の算出時に、相続財産の額と、相続開始時までにこの制度で贈与した贈与財産の額を合わせて相続税額を算出し、その額よりそれまで納めたこの制度による贈与税額を控除して最終的に納めるべき相続税額を算出します。
 この際に算出した相続税額より、それまで納めたこの制度による贈与税額が高額であるなら、その差額につき還付を受けられます。

 仮に、10年にわたり、毎年110万円ずつ贈与を行うとします。この場合に、暦年課税と相続時精算課税のいずれが有利であるかを次に述べます。
 暦年課税(特例贈与)であれば、基礎控除額が1年について110万円であることから贈与税は10年間0円となります。相続開始前3年以内でない限り相続税も無関係であることから、この贈与については税金は課されません。
 一方、相続時精算課税であれば、110万円×10年=1,100万円で、控除額の2,500万円を下回ることから贈与税は0円となります。しかしながら、相続時にこの1,100万円が相続財産に加算されますので、相続税の負担がその分大きくなります。
 したがって、このケースは暦年課税を選ぶと有利であるといえます。ただし、財産や家族構成、年齢などにより、最も有利なのはどの方法であるのかが異なります。また、特に資産家層で相続税の負担が大きい場合などには、特例贈与の活用で、相続税の税率より低い税率で贈与し、将来の相続税の負担を軽くする効果が期待できます。それ故、贈与するに当たっては、税理士等の専門家への相談、相続税の試算をし、相続税の税率など現状を理解してから贈与するといいでしょう。

 続いて、配偶配偶者控除と住宅取得資金贈与という二つの贈与税の特例について述べます。
 配偶者控除については、妻が夫より、又は夫が妻より贈与を受ける場合、基礎控除額(暦年課税の場合に1年につき110万円)のほか、最高2,000万円の控除を受けることが可能です。ただし、いくつかの条件が存在します。
〇婚姻期間20年以上の夫婦間における贈与であること
〇居住用不動産の取得又は居住用不動産取得資金の贈与であること
〇贈与を受けた者がその年の翌年の3月15日までにその不動産に住み、又は贈与を受けた資金により不動産を取得してそこに住むこと。そして、以後も住み続けること
〇かつて同一規定の適用を受けたことがないこと
 また、住宅取得資金贈与は、親又は祖父母より、子へのマイホーム資金の贈与について一定額まで非課税とされる特例です。この特例は年によって非課税とされる金額に差異があることから、留意しなければなりません。

ちなみに、存命中に賃貸マンションなどの収益物件を贈与すれば、その物件より発生する収益分が相続税の節税につながります。
 また、価格が将来値上がりすると予想される財産は、存命中に贈与するといいでしょう。

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