夫が死去し、相続人は私と17歳の長男、15歳の長女の3人です。2人の子供たちは未成年であることから、私が全財産を相続し、子供たちの世話をするつもりです。夫が残した財産は約8,000万円ですので、私が全てを相続した場合、配偶者の税額軽減により相続税はゼロになると考えています。子供たちと遺産分割協議書を作成し、自宅を私名義に登記しようとしましたが、これでは登記できないとのことでした。未成年の子供がいれば、家庭裁判所において特別代理人を選任する必要があるということが、この時点で初めて分かりました。各々の子供に1人ずつ選任する必要があり、親戚に頼むことができるか、また、相続税の申告期限までに分割が間に合うか不安です。そして、私が夫の全財産を相続することはできるでしょうか?

  • 2018/10/23
  • 夫が死去し、相続人は私と17歳の長男、15歳の長女の3人です。2人の子供たちは未成年であることから、私が全財産を相続し、子供たちの世話をするつもりです。夫が残した財産は約8,000万円ですので、私が全てを相続した場合、配偶者の税額軽減により相続税はゼロになると考えています。子供たちと遺産分割協議書を作成し、自宅を私名義に登記しようとしましたが、これでは登記できないとのことでした。未成年の子供がいれば、家庭裁判所において特別代理人を選任する必要があるということが、この時点で初めて分かりました。各々の子供に1人ずつ選任する必要があり、親戚に頼むことができるか、また、相続税の申告期限までに分割が間に合うか不安です。そして、私が夫の全財産を相続することはできるでしょうか? はコメントを受け付けていません。

Q.
 夫が死去し、相続人は私と17歳の長男、15歳の長女の3人です。2人の子供たちは未成年であることから、私が全財産を相続し、子供たちの世話をするつもりです。夫が残した財産は約8,000万円ですので、私が全てを相続した場合、配偶者の税額軽減により相続税はゼロになると考えています。
 子供たちと遺産分割協議書を作成し、自宅を私名義に登記しようとしましたが、これでは登記できないとのことでした。未成年の子供がいれば、家庭裁判所において特別代理人を選任する必要があるということが、この時点で初めて分かりました。各々の子供に1人ずつ選任する必要があり、親戚に頼むことができるか、また、相続税の申告期限までに分割が間に合うか不安です。そして、私が夫の全財産を相続することはできるでしょうか?

A.
 未成年の法律行為は、親権者である親が法定代理人となるのが一般的です(民法第818条・第824条)。しかしながら、親権を行う父又は母とその子である未成年者が利益相反となってしまう場合は、親権を行う者は、その子のために特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません(民法第826条)。また、親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合、その1人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求する必要があります。

 特別代理人選任の申し立てについては、次のとおりです。

1.申立人
 親権者、利害関係人

2.申立先
 子の住所地の家庭裁判所

3.申し立てに必要な書類
○申立書
○未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)
○親権者又未成年後見人の戸籍謄本(全部事項証明書)
○特別代理人候補者の住民票又は戸籍附票
○利益相反に関する資料
○利害関係を証する資料(利害関係人からの申し立ての場合)

4.申し立てに必要な費用
 連絡用の郵便切手、収入印紙800円(1人につき)

 上記の利益相反に関する資料については、ご質問のケースの場合、遺産分割協議書案がそれに該当します。夫の遺産分割協議については、相続人であるご質問者と2人の子は利益相反の関係となります。長男と長女の各々について特別代理人を選任する必要があります。
 子の利益を守るために、特別代理人の制度は存在しています。したがって、配偶者の税額軽減のために配偶者が全財産を相続するというような内容は、認められないのが原則であり、留意しなければなりません。特別代理人の立場からは、長男と長女のために各々代理行為を行わなければなりませんので、ご質問者が全財産を相続するといった遺産分割には基本的には同意できません。
 類似のケースとしては、相続人の中に認知症患者がおり、精神上の障害によって事理を弁識する能力を欠く常況にある者の場合、遺産分割協議を行うことが不可能であることから、家庭裁判所に後見開始の申し立てを行わなければなりません。
 また、例えば母が認知症患者で、長男が既に後見人に選任されている状況において、父の相続が発生した場合には、被後見人である母と後見人である長男はどちらも相続人ですので、利益相反の状態となります。この場合、父の遺産分割協議においては、長男は後見人として代理権を行使することは不可能であり、母のために特別代理人の選任を申し立てなければなりません。
 なお、後見開始の申し立てに後見人の候補者を記すことができるものの、あくまで家庭裁判所が選任しますので、候補者以外の後見人(弁護士や司法書士など)が選任されることもあります。

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